2013年6月13日木曜日

正しい塾の選び方 学習スタイル編②「個別指導スタイル」

元々あった言葉なのか新しく出来た言葉なのかよくは知りませんが「個別指導」という言葉が最近あふれているように感じます。
昔の塾が一斉授業を基本にしていたのに対して出てきた言葉かと思いますが、実際にその言葉が指す意味はかなり曖昧です。
というわけで「個別指導」という言葉の響きにまどわされないように、今回は「2.個別指導スタイル」について書きたいと思います。

まず皆さまが「個別指導」という言葉から連想するものは何でしょうか?
おそらく講師が一人ひとり個別に指導する姿だと思います。
まさにその通りです。その通りなのですがここに細かな解釈の違いが出てきて時には皆様がイメージするものとは全く違う指導が行われることが出てきます。
それでは「2.個別指導スタイル」を更に分けてみたいと思います。


2-1.1対1指導タイプ
1対1とは講師1人がお子様1人だけを指導することを意味します。おそらく皆さまが通常考える個別指導のスタイルです。
長所:丁寧な指導が受けられる
   お子様の目標、レベルに合わせた学習が出来る
   周囲の目を気にしなくて良い
短所:料金は高め
   講師との相性がある
お子様が通うタイプの家庭教師です。基本的に講師は担任制をとり、毎回同じ講師が授業中は1人の生徒さんだけを見ていますので丁寧な指導を受けることが出来ます。他のお子様を気にすることもないのでハイレベルの勉強をしたい子でも平均点ぐらいを目指す子でも、それぞれにあわせた内容で学習が進められます。
集団授業は学校がやってくれますので、それ以上を考える場合はお子様自身をしっかり見てくれる学習スタイルが効果的だと考えられます。ただ料金は集団授業に比べると高いことが普通です。また講師との相性も大切です。良い先生であってもお子様には合わないということもありますので、その場合は単なる我がままでないか見極めて対処することが必要です。

2-2.1対2指導タイプ
1対2とは講師1人がお子様2人を指導することを意味します。ただし講師は2人のお子様それぞれに指導を行うのであって、まとめて授業をするということではありません。学習の進度もそれぞれでお子様同士が関わることも基本的にはありません。
長所:比較的丁寧な指導が受けられる
   お子様の目標、レベルに合わせた学習が出来る
   1対1よりは料金が安め
短所:集団授業よりは料金が高め
   指導時間は最大で授業時間の半分(半分は自習)
   他方を指導中のときは待たなければいけない
集団授業ではなくお子様本人をしっかり見てほしいけど料金は抑えたい、という場合用です。お子様は2人ですが指導はそれぞれに行いますので、一人ひとりを見てもらえます。ただし当然ながら2人を同時に1人の講師が指導しますので、片方を指導している間は自習状態となります。「演習の際に講師が見張っている必要はない」という考え方で出来ておりますが、塾側の経営効率という側面が大きいです。実際には演習中でもその瞬間だからこそ必要なアドバイスやヒントがありますので、あくまでも「半分は自習」と割り切っていくことが必要です。そう考えると料金も1対1に比べて安く見えますが、自習時間込みの料金であると理解しておくことが大切です。また「半分は自習」と書きましたが、指導時間がきっちり均等割りされることは稀であり講師自身の作業時間もありますので、実際の指導時間は授業時間の半分以下になるのが普通です。講師も2人を同時に見ていますのでその都度頭を切り替える必要があり指導効率が落ちる場合もあります。基本的には自分で勉強が進められて、ときどきアドバイスが欲しいというお子様にはとても合ったスタイルだと考えられます。

2-3.1対3以上指導タイプ
1対3以上とは講師1人がお子様3人以上を指導することを意味します。一応、一斉に授業をするのではなくそれぞれに個別の指導をすることとなっています。
長所:お子様の目標、レベルに合わせた学習が出来る
   個別授業の中では安め
短所:指導時間は短く、多くが自習となる
   他方を指導中のときは待たなければいけない
指導のスタイル自体は大勢まとめての授業ではなく、一人ひとりを見るというものです。しかし当然ながらそれぞれを見るため他のお子様が指導を受けている間は自習となります。1対3の場合では80分の授業でも指導は25分前後あれば良い方で1時間近くは自習だと思ってください。こちらも1対2と同様に「演習の際に講師が見張っている必要はない」という考え方ですが、実情としては経営効率を優先させたものとしか言えません。もちろん自習が主体で構わないとお考えであれば向いていますが、自習にかける料金としては安くありません。個人的な意見としては1対3以上を個別指導だとは考えません。あくまで自習の補助です。そう納得した上で選ばれることをお勧めします。


以上が「個別指導スタイル」の特徴をまとめたものです。
基本的に個別指導を謳う大手塾は1対2以上となります。そうしないと経営効率が悪いですので。
私の知っているところでは1対1から1対3までのプランが用意されていましたが、面談の際に1対3へ誘導するマニュアルのあるところがありました。悪いこととは言えませんが、そういう仕組みになっています。
「個別指導」の文字に惑わされないようご注意ください。

ただ、どの場合についても講師とお子様は近い位置になりますので相性の問題は無視できません。相性はいかんともし難いものがありますので、不安がある場合はきちんと相談しながら進めることが大切です。
なお個別指導は性質上、担任制をとることが多いですが中にはシフト制で行く度に講師が違うこともあります。選ぶ際にはその点にも注意してください。
また「講師」についてはいずれ詳しく書きたいと思います。